その山は中標津を象徴する山である。
「僕がここに暮らしたい」と思ったのもこの山並みが素晴らしいと
思ったからだ。
しかし一度もその山を眺めるだけで、一度も登ったことはなかった。
ある日カーテンを開けると快晴。
何を思ったか単独で「武佐岳」に登ってみようと思ったのだ。

登山入り口到着。ここで入山届けを書く。
本当はここよりもうちょっと先まで車で行くことが出来たのだ。
歩いて15分くらいの距離。このことを知っていれば
もうちょっと楽な登山が出来たのかも知れない。
林道を歩いているとようやく登山道へ。

昨日降った雨で、登山道に小川が出来ている。
この小川の中を歩き、ズボンを濡らしながら歩く
(ゲーターはあった方がいいなとこのとき感じる)

最初の山小屋までの道のりは普通の山道だった。
この山小屋で3合目
この山小屋を過ぎると一気にキツくなった。
口で息をする。
「なんでこんな苦しい思いをしながら登ってるんだ!なんで山なんかに登ろうと思ったんだ!」と自分自身を攻める。攻める。
それでも登って行く。
「あぁ〜!!もう疲れた!」とザックを投出しそのままどかっと座る。
息を整えまた登る。また「あぁぁぁ」ってなりザックを投げ出す。
そんな自分自身との格闘の山登りになった。


また背の高さほどの笹薮で登山道が分かりづらくなっている。
昨日読んだ「羆撃ち」の世界そのままだ。
「羆撃ち」の世界はこの山を挟んで向こう。距離にして10数キロ。
いつ「コンニチワ」されてもおかしくない状態だ。
6合目付近で朝から登ってきた下りてきたおじさんとすれ違う。
熊鈴をならし、そのオジサンの腰にはなんと「熊スプレー」
やはりそこまでしなくてはいけない山登りなんだ。
もし熊に襲われたら、持っているストックとナイフで戦うしかないだろう。
それでもダメならごめんなさいするしかないのだから・・・
8合目。ようやく開けた場所にでた。

あともう少し!って思ったのが甘かった・・・
ここで最後のまた急登が待っていた。
自分自身を攻めながら登る。
9合目を過ぎたあたりで、両足の太ももに違和感が・・・
「痛い!」
ペースをあげてバテながら登ったのが災いしたのだ・・・
また自分自身を攻める
「何で・・・なんで・・・・」
太ももの痛みに耐えながら登っていると、開けた場所が・・・

ようやく頂上到達。思わず「ヤッタァ〜」と叫び、
目からじわぁ〜と溢れ出るものが・・・・
本当に苦しかった。

それでも頂上からの眺めは最高だった。
これは本当に登ったものへのプレゼントなのかも・・・
国後島が見え、野付半島が見え、中標津の街が見える。
今までの苦しさが一気に吹き飛んだ。


そしてJETBOILでお湯を沸かして昼食。
最高に美味い。

1時間ほど休憩して下山開始。
心に余裕ができたのか花の写真まで撮った。

「ゆる登山」なんて山ではない。どんな山でもキツイ。
山登りはやはり日頃の行いが試される場所なのだろう。
今回いつも不摂生な生活をしている自分が試された場所。
「もう山登りは辞めるか?」と聞かれたら多分「NO」と答える。
色々な山の頂上の風景を見たくなってきた。
近くの山でも良い。トレーニングをしよう。
最終目標は羅臼岳だ。
足の痛みを和らげるために買ってしまおうかな・・・
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